iCareのコイルをリビルドします。
その一部始終をさらします。
自己流ではありますが、少しでも参考になればと思います。
■ 用意するもの
・ 古いコイル
・ ジグ(精密ドライバーでも可)
・ コットン(できれば無印良品)
・ ワイヤー(28g~30gくらいの細いやつ)
・ オームメーターかテスター(抵抗値を測定できる機器)
① コイルをばらす
まずはコイルを分解します。
バラしてみるとこんな感じです。
ワイヤーとコットンもバラしてみましょう。
ここで重要なのは、形状を確認することです。
とくにコイルは型崩れしやすいので、丁寧に行いましょう。
純正の仕様は、30gの10巻、内径は約1.5mmです。
足が下に伸びるかたちのバーチカルコイルですね。
目視とさわった質感から察するに、おそらくSSワイヤーかと思います。
コットンは2層になっています。
ぐるぐる巻きになっていたのは、帯状になったシートタイプのコットン。
ふわふわ感がある短いコットンがコイルに接しています。
コイル自体に表記されている抵抗値は1.1Ωでした。
要するに、全部このとおりにビルドすればいいのです。
② ワイヤーを巻く
形状を確認したら、ワイヤーを巻きます。
10cmも切り出せば十分ですが、長めにとったほうが作業はしやすくなります。
コイルを整形しましょう。
ちなみに、手持ちの30gが見当たらなかったので、今回は28g SS304のワイヤーでビルドします。
目標抵抗値との整合性をとるため、内径は1.5mmではなく2mmにします。
画像では9巻きっぽく見えますが、実際は10巻しました。
純正の仕様にならって、スペースドで巻きましょう。
ここで大事なポイントです。
片方の足は横に伸ばしたままにします。
コイルの外周にコットンを巻くとき、作業しやすいようにするためです。
右側がリビルドしたコイルです。
この時点で抵抗値を測ってみましょう。
1.16Ωです。
ちょうどいいですね。
とはいえ、クリップによる計測だと数値が安定しないので、あくまで目安として考えましょう。
まあ、極端に低い抵抗値になっていなければ大丈夫です。
このオームメーターのすごいところは、この状態で焼入れまでできちゃうこと。
同じものが欲しい人はこちらで買えます。
熱の入り方まで確認できるので便利です。
まあ今回はスペースドで巻いたので、ホットスポットは出にくいんですけどね。
皮膜を作ることで腐食防止にもなるため、コイル単体で焼入れできる機器を持っていない人はライターなどであぶってもいいでしょう。
くれぐれも注意しながら作業してください。
③ ウィッキング
さて、次はウィッキングです。
無印良品のコットンを使います。
普段ビルドするときって、硬い表面をはいで使う人が多いかと思います。
このウィッキングでもそれは同様です。
しかし、使うのはふわふわなコットンではなく、はぎとった硬い表面のほうです。
いい感じにシートっぽさが出ているので、これを活用します。
コイルの幅に合わせてカットしましょう。
だいたい7mmくらいですかね。
幅としては、1cmもいらないです。
大判タイプではない普通の無印コットンでは、少し長さが足りません。
そのため、純正と長さをそろえるように切り出しました。
ちなみに、普段は無印コットンの長さのままウィッキングしています。
ブログの記事なので、一応はしっかりやろうと思います。
切り出したコットンのうち、まずは短いほうをコイルに巻きつけます。
画像のように、ジグを使いながら作業します。
細かい作業のため、リキッドでコットンを濡らしながらやるといいです。
ドライヒット防止にもなるので一石二鳥ですね。
巻き終えたら、今度は長いほうを重ねていきます。
二周くらい巻いた時点で、横に伸ばしていた足をおろします。
この作業は忘れずに行ってください。
コイルの足がむき出しになったまま組み付けると、ショートする可能性があります。
要するに足が金属パーツに触れるような組み方をせず、しっかりとコットンで覆えばいいのです。
ウィッキングが終わったらこんな感じになります。
ちょっと不格好ですが、まあ大丈夫です。
④ 組み立て
次は、コイルユニットを組み立てます。
バラしたものを組み立てるだけですが、ちょっとコツがいります。
ここまでウィッキング済みのコイルを、外装パーツにぶっこみます。
ジグをやさしく引き抜きましょう。
するとこうなります。
足を切る前に、インシュレーターをはさみます。
内側の足は内側、外側の足は外側。
それぞれを絶縁するため、分離させるように取り付けます。
底部のキャップをかぶせてみます。
コイルの足はまだ切らないでください。
この作業をすると、内部のコイル位置がずれることがあるんです。
上から内部をのぞいて、コイルの中央がずれていないかを確認します。
様子を見ながら、適宜、調整してください。
異常がなさそうであれば、いよいよコイルの足を切ります。
なるべくギリギリで切りましょう。
iCareの構造上、ラフに切ってもショートするような作りにはなっていませんが、念のためです。
コイルユニットが完成しました。
これでリビルド作業は終わりです。
⑤ 組み付け
組み立てたコイルユニットを、本体に組み付けていきます。
組み立てだの組み付けだのわかりづらいですが、作業はかんたんです。
単純にコイル交換と同じ手順です。
はい、終わり。
ビルド自己評価
iCareを使い始めてから、何度もやっているビルドです。
普段はもっとラフな感じでやっているんですが、今日はいつもより丁寧にやってみました。
全体を通して、iCareのリビルドは細かい作業の連続です。
小さいパーツを細々といじるのが嫌い人にとっては、苦痛でしかないと思います。
「こんなのやるくらいなら交換用コイル買うわ」ってのも理解できます。
また、VAPEの仕組みを理解できるかどうかを問われる作業でもあります。
コイル足を処理するときの作業ですね。
RDAやRTAみたいに、ポストに足を通せば勝手にポジティブとネガティブに分かれるなんてことはありません。
この仕組みを理解していない人であれば、戸惑ってしまうでしょう。
以上のことを踏まえて、難易度は高いと感じるのが正直なところです。
ただ、慣れればどうってことはないです。
慣れてしまえば、5分もあれば終わる作業です。
数百円だして交換用のコイルを買うくらいなら、5分でビルドしたほうがいい。
個人的には、このように思います。
実際、iCareは長いこと使っていますが、不器用でめんどくさがりで自分でも交換用のコイルは買ったことがありません。
今回は純正の使用にそってリビルドしましたが、ワイヤーや内径を変えて巻き数を調整したりすると、味やミストの出方が変わります。
このように、自分で変化を加えてみるのも面白いです。
まあ長くなりましたが、少しでも参考になればいいと思って書きました。
以上、バイバイ。
コメント
はじめまして。
iCareのコイルのリビルト挑戦してみました。
なかなかうまく行きません。
オームメーターもないので何とも言えませんが、1回2回は何とか吸えるのですが、少し置くと煙すら出てこなくなります。
ワイヤーの熱入れもライターで炙ってみましたが、どれくらい炙ればいいのかが分かりません。
もう少し詳しく分かればいいのですが。
ご教授頂けたらありがたいです
五百部昭広さま
コメントありがとうございます!
現物と実際の作業を確認しないとなんともいえませんが、いくつかの原因が考えられます。
・コイルもしくはコイルレッグがどこかに接触し、ショートしている
・ワイヤーの仕様、もしくはコイルの温度上昇によってiCare本体の許容抵抗値(1-3.5ohm)を逸脱している
・コイルレッグ部分にホットスポットが発生している(いわゆるヒートレッグ状態)
一度、スペースドのコイルを焼き入れしないまま、かたちを崩さないようにコットンを巻いてみてください。
記事内でご紹介したようにコイルレッグを処理すれば、パフ数回で吸えなくなるということはないはずです。
TwitterでDMをもらえれば、もっと詳しくアドバイスできるかと思います。
安全に楽しみましょう。
Ryo
早速返信ありがとうございます。
youtubeでほかのコイルの作成とか見ながらあーでもないこーでもないと色々試しております。
10個目にして何となく煙が出てくるようになりました。
ただ5回位でリキッドに負けるというか煙が出なくなります。
Twitterはしていないので、子供にでも教えてもらおうかと思います。
とにかく作るは楽しいので毎日作ってみます。