VAPEとの出会い

 

人生で初めてVAPEを目撃したのは、およそ2年前。

当時、よく遊んでいた先輩と喫煙所に入ったときのこと。

 

 

先輩がカバンから取り出したのは、いまだかつて見たことがない物体。

謎の液体が入ったそれは、紫色に輝いていました。

 

はて、いかがわしい物質を摂取するものだろうか。

モノをひたすら凝視する、おれ。

すると、先輩はくすんだ金属の先端を口に放り込みました。

 

 

「なんそか、それ」

「これ?電子タバコだよ」

 

フッと煙を吐いたあと、先輩はそう言いました。

その様子は、なんだか仰々しく見えました。

 

「おまえも吸ってみろよ」

 

正直、気は進みませんでした。

いくら健康維持に無関心だとはいえ、得体の知れないモノを体に取り入れる行為には抵抗を感じたのです。

 

でも、興味がないといえば嘘になる。

そもそも、先輩から勧められたものは断りづらい。

 

「いいっすか、じゃあ、すんません」

「・・・・・・」

「あれ、何も出てこない」

「いやいや、あほか、押しながら吸うんだよ」

「あ、そなんすか、すんません」

「・・・・・・」

 

ほのかな甘味と若干のよだれ臭さ。

タバコのような吸い心地ではない。

どちらかといえば、シーシャっぽい。

聞けば、内部に保持している液体を加熱し、その水蒸気を吸引するとのこと。

 

 

うん、おいしくはない。

決して、良いモノではない。

二度と吸うことはないと思いました。

 

 

後に知ったのは、このとき吸った電子タバコがKAMRYのX6だったこと。

これが、おれのVAPE初体験でした。

 

 

 

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